この記事を書いた人

日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医資格を持ち、医師として約10年医療現場に立つ。
特に整形外科の分野に力をいれており、2026年夏頃に東京都西部地域でクリニックを開業予定。
マレット指とは?
指先の骨や腱が傷つき、指をまっすぐ伸ばせなくなる状態をマレット指と呼びます。
ボールが指先に強く当たったり、急に曲げられたときに起こります。
- 指先が下に垂れ下がる
- 腫れや痛みが出る
- 力が入りにくい
→ スポーツや日常生活でも起こることがあるケガです。
骨性マレットと腱性マレットについて
マレット指には、骨が折れるタイプと、腱だけが切れるタイプがあります。
- 骨性マレット:指先の骨の一部が折れて腱ごと外れる
- 腱性マレット:骨は折れず、腱だけが切れる
→ 治療方針は似ていますが、骨の状態により固定期間や注意点が変わります。
原因
強い外力や突発的な動きが主な原因です。
- スポーツ中にボールが直撃
- ドアや物に指を挟む
- 転倒時に指をつく
→ 予期しない衝撃が指先に集中することで発生します。
症状
最も特徴的なのは、指を自分の力でまっすぐ伸ばせなくなることです。
- 指先が下がったままになる
- 腫れや痛みがある
- 時間がたつと変形が残ることも
→ 早期に治療を始めることで改善しやすくなります。
治療
基本的には固定による保存療法が行われます。
- 指先を伸ばした状態で固定(6〜8週間)
- 入浴時や交換時も曲げないよう注意
- 骨折が大きい場合や関節がずれている場合は手術
→ 治療期間中の管理が治りやすさを左右します。
日常生活での注意
固定中は生活の中でも工夫が必要です。
- 入浴は防水カバーを使用
- 重い物を持たない
- スポーツ復帰は医師の許可を得てから
→ 無理をすると再発や治りにくさにつながります。
放置するとどうなる?
適切に治療しないと、変形や機能低下が残ることがあります。
- 指がまっすぐ伸びない
- 握力や動作に影響
- 見た目の変形
→ 「動くから大丈夫」と放置せず、早めに診てもらいましょう。
院長からのひとこと
マレット指は小さなケガに見えても、しっかり治さないと後遺症が残ることがあります。早期に治療を始めて、生活の質を保ちましょう。
関連リンク
- 指の骨折や腱損傷の治療法
よくあるご質問
治りが遅くなったり、変形が残る可能性があります。気づいたらすぐに医師に相談してください。
はい。痛みが軽くても、腱や骨の損傷が残っていることがあります。放置すると変形が残ることがあります。
一般的には固定が外れたあと、医師の許可が出てからです。無理に早く始めると再発のリスクがあります。
特定の予防法はありませんが、スポーツや作業時に指先への強い衝撃を避けることが大切です。
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