この記事を書いた人

日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医資格を持ち、医師として約10年医療現場に立つ。
特に整形外科の分野に力をいれており、2026年夏頃に東京都西部地域でクリニックを開業予定。

外反母趾について知っておきたいこと

外反母趾は、足の親指が小指側へ曲がり、付け根の関節が外側に突き出してしまう状態です。
歩行時や靴を履いたときに痛みが出ることがあり、進行すると日常生活に支障をきたします。

外反母趾の原因は?

外反母趾は複数の要因が重なって起こります。

  • 合わない靴(先の細い靴、ハイヒールなど)
  • 遺伝的要因(家族に外反母趾が多い)
  • 足の筋力低下(足のアーチが崩れる)
  • 歩き方の癖(外側重心など)
  • 扁平足(足裏への負担増加)

靴の影響が大きいですが、筋力や骨格の状態も関係します。

外反母趾の症状が進むと?

変形が強くなると、痛みや歩行障害が目立ちます。

  • 親指の付け根の強い痛み
  • 靴に当たって皮膚が赤くなる、タコができる
  • 歩行時のバランス不良
  • 他の足指の変形(ハンマートゥなど)

進行すると、靴選びや歩行が難しくなります。

放っておいても治る?

軽度なら症状が落ち着くこともありますが…

  • 進行性であるため放置は危険
  • 骨の変形は自然には元に戻らない
  • 放置すると関節の変形や痛みが悪化

早めの対策で進行を防ぐことが大切です。

外反母趾の治し方は?

保存療法

  • 靴の見直し(幅広・クッション性のある靴)
  • テーピングやサポーターで負担軽減
  • 足の筋力トレーニング(タオルギャザーなど)
  • ストレッチやマッサージで血流促進

医療機関での治療

  • インソール調整
  • 物理療法(温熱療法、超音波など)
  • 痛み止めや湿布

テーピングや手術は必要?

  • テーピングやサポーター → 初期や中等度で有効
  • 手術 → 重度で保存療法が効かない場合に検討
  • 手術方法 → 骨の矯正、固定を行う

自己判断せず、整形外科で相談しましょう。

院長からのひとこと

外反母趾は「靴のせい」と思われがちですが、筋力低下や遺伝も関係します。
放置すると変形が進み、治療が難しくなります。

違和感や痛みを感じたら、早めに専門医へご相談ください。

関連リンク

  • インソールについて(当院の治療紹介)

よくあるご質問

Q
靴を変えるだけで治りますか?
A

軽度なら改善が見込めますが、変形は元に戻りません。併せて筋トレやストレッチを行いましょう。

Q
運動はしてもいいですか?
A

痛みが強いときは控え、症状が落ち着いたら医師の指導で再開しましょう。

Q
手術後はどれくらいで歩けますか?
A

方法にもよりますが、多くは数週間で歩行可能になります。