この記事を書いた人

日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医資格を持ち、医師として約10年医療現場に立つ。
特に整形外科の分野に力をいれており、2026年夏頃に東京都西部地域でクリニックを開業予定。

痛風は、血液中の尿酸が増えて関節にたまることで強い痛みを引き起こす病気です。特に足の親指の付け根に急に激しい痛みが出るのが特徴です。

痛風の原因は?

痛風は、尿酸が体内にたまり結晶となって関節に炎症を起こすことで発症します。

  • プリン体を多く含む食事(肉類、魚介類、アルコールなど)
  • 過度の飲酒(特にビールや日本酒)
  • 肥満(体脂肪が尿酸の排出を妨げる)
  • 腎臓の働きが弱い(尿酸をうまく排出できない)
  • 遺伝的な体質

→生活習慣や体質が重なることで発症リスクが高まります。

痛風の前兆ってあるの?

痛風は突然強い痛みが出ることが多いですが、発作の前に次のようなサインが出る場合もあります。

  • 足の親指や関節に違和感や軽い痛み
  • 関節の腫れや赤み
  • 軽い熱っぽさやピリピリした感覚

→こうした前兆を感じたら、早めに尿酸値をチェックし生活を見直すことが大切です。

痛風の症状

痛風の典型的な症状は「突然の強い関節の痛み」です。

  • 足の親指の付け根に激しい痛みと腫れ
  • 関節が赤く腫れて熱を持つ
  • 発作は数日~1週間続くことが多い
  • 進行すると膝や足首、手の指にも広がる

→繰り返すと関節が変形したり腎臓へ負担がかかることがあります。

痛風の治し方は?

治療には「急な痛みを和らげる方法」と「再発を防ぐ長期的な管理」があります。

【急性期の治療】

  • 痛み止めの薬を飲む(NSAIDsなど)
  • 関節を冷やして炎症を抑える
  • 安静にして負担をかけない

【長期的な治療】

  • 食事改善(プリン体を控え、水をしっかり取る)
  • 適度な運動で肥満を防ぐ
  • 尿酸を下げる薬の服用(アロプリノールなど)

→発作を抑えるだけでなく、生活習慣の見直しと薬によるコントロールが再発予防につながります。

痛風は何科に行けばいい?

  • 内科や腎臓内科→生活習慣病のチェック
  • 整形外科→関節の腫れや痛みの治療、尿酸値の管理

→症状がある時はどちらでも構いません。まずは受診して早めに対応しましょう。

痛風の時に避けたいこと

痛風発作中にやってしまうと悪化する行動があります。

  • 運動をする(関節に負担がかかる)
  • アルコールを飲む(尿酸がさらに増える)
  • プリン体の多い食品を食べる(肉・魚介・内臓類など)
  • 水分を取らない(尿酸が排出されにくくなる)

→発作が出たらまず安静と治療、普段は生活習慣の工夫で予防を心がけましょう。

院長からのひとこと

痛風は「ぜいたく病」と思われがちですが、体質や腎臓の働きなども深く関係しています。

強い痛みが出る前に生活習慣を見直し、必要なら薬でしっかりコントロールすることが大切です。

「ちょっとした違和感かな」と思った段階での受診が、将来の発作予防につながります。

関連リンク

  • プリン体の少ない食事の工夫

よくあるご質問

Q
痛風は一度かかると一生治らないのですか?
A

いいえ。生活習慣の改善と薬の継続でコントロールが可能です。

Q
ビールだけやめれば良いですか?
A

ビール以外のお酒や食事内容も関係します。全体的な生活改善が必要です。

Q
痛風発作中でも歩いていいですか?
A

強い痛みのある間は安静が基本です。無理に動かすと悪化します。