この記事を書いた人

日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医資格を持ち、医師として約10年医療現場に立つ。
特に整形外科の分野に力をいれており、2026年夏頃に東京都西部地域でクリニックを開業予定。

頚椎症性神経根症について知っておきたいこと

頚椎症性神経根症は、首の骨の変化によって、神経の出入り口が押されてしまうことで起こります。
首から腕や手にかけて痛みやしびれが出ることが多く、日常生活に不便を感じることもあります。

  • 首の骨が変形して神経を圧迫する
  • 首から腕や手にかけて痛みやしびれが出る
  • 比較的よく見られる首の病気

→ 早めに正しく知って、適切な対応をしましょう。

頚椎症性神経根症の症状について

症状は片側に出ることが多く、腕や手の力が入りにくくなることもあります。

  • 首から肩、腕、手や指にかけての痛みやしびれ
  • 片側に症状が出ることが多い
  • 重くなると握力低下や動かしにくさが出る
  • 長時間同じ姿勢や夜間に痛みが強くなることも

→ 気になる症状が続いたら、早めに受診しましょう。

どれくらいで治るのか

多くは手術をしない治療で回復が見込めます。

  • 3か月以内に自然とよくなることが多い
  • ただし症状や体の状態により時間は異なる
  • 無理せず、経過を見ながらケアを続けることが大切

→ 焦らず、適切な治療と生活改善を続けましょう。

痛みが激しいときの対処法

強い痛みがあるときは、まずは首を休ませましょう。

  • 首を無理に動かさない
  • 痛み止めの薬を使う
  • 医師の判断で神経ブロック注射を行うこともある

→ 我慢せず、症状が強いときは医療機関へ。

寝方に気をつけること

寝る姿勢や枕の高さで、首への負担は変わります。

  • 首の自然なカーブを保てる枕を使う
  • 仰向けや横向きで、首をひねらないようにする
  • 高すぎたり低すぎる枕は避ける

→ 首にやさしい姿勢で眠りましょう。

温めるのは効果的?

温めると血流がよくなり、痛みやこわばりをやわらげます。

  • 蒸しタオルや温熱パッドで首・肩まわりを温める
  • 急に悪化したときや腫れているときは冷やす方がよい場合も
  • 状況によって使い分ける

→ 温め・冷やしを症状に合わせて行いましょう。

手術が必要になるケースとは

ほとんどは手術をせずに改善しますが、次のようなときは検討します。

  • 筋力低下や動かしにくさが強くなっている
  • 手術しない治療でも改善がみられない
  • 日常生活に大きな支障がある

→ 手術は最終手段。納得してから選びましょう。

リハビリ方法について

首や肩の動きを保つことが、回復や再発予防に役立ちます。

  • 首や肩、背中のストレッチ
  • 首や肩の筋力トレーニング
  • 姿勢改善の運動

→ 理学療法士の指導で安全に行いましょう。

院長からのひとこと

首から腕にかけての痛みやしびれは、放っておくと長引くことがあります。

当院では、薬での治療の他に、エコーを用いたブロック注射、理学療法等も行っています。
「そのうち治るだろう」と思わず、早めに相談してくださいね。

関連リンク

  • 当院のリハビリテーションについて
  • ブロック注射について

よくあるご質問

Q
首を動かす運動はしてもいいですか?
A

症状が落ち着いてから、医師や理学療法士の指導で行いましょう。

Q
デスクワークでも悪化しますか?
A

 長時間同じ姿勢は悪化の原因になります。こまめに姿勢を変えましょう。

Q
湿布は効きますか?
A

症状に合わせて冷却用や温感用を使い分けると効果的です。

Q
運転はできますか?
A

首の動きが制限されていると危険です。十分動かせるようになってからにしましょう。