この記事を書いた人

日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医資格を持ち、医師として約10年医療現場に立つ。
特に整形外科の分野に力をいれており、2026年夏頃に東京都西部地域でクリニックを開業予定。
目次
先天性内反足とはどのような病気か
先天性内反足は、生まれつき足首から先が内側に曲がり、足の裏が内側や後ろを向いてしまう病気です。
片足だけの場合も、両足に出る場合もあり、赤ちゃんが生まれた時点で確認されます。
早めに治療を始めることで、正常に近い足の機能を取り戻せることが期待できます。
- 足首から先が内側に曲がっている
- 足の裏が内側や後ろを向いている
- 出生時に発見されることが多い
→早期発見と治療で、将来の歩行に良い影響を与えられます。
原因について
はっきりとした原因はまだ分かっていません。
お母さんのお腹の中での姿勢や圧迫、遺伝的な影響、筋肉や神経の発達の問題などが関わっていると考えられています。
- 胎児期の姿勢や圧迫
- 遺伝的な要因
- 筋肉や神経の発達異常の関与
→いくつかの要因が重なって起こると考えられています。
男の子に多いのか?
統計的には男の子に多く見られますが、女の子にも起こります。
性別に関係なく注意が必要です。
- 男の子の方が発症しやすい
- 女の子にも起こり得る
→出生時のチェックが大切です。
歩き方への影響
治療を受けていない場合、歩き方に特徴が出てきます。
足の外側や甲で歩くような不自然な歩行になり、足首や膝に負担がかかります。
- 足の外側や甲で歩いてしまう
- 不自然な歩行になる
- 足首や膝に負担がかかる
→早期治療で自然な歩き方に近づけられます。
治るのか?
適切な時期に治療を始めれば、多くの場合は治ります。
「ポンセティ法」というギプスを使った矯正や装具の使用が中心で、必要に応じて手術が行われます。
- ギプス矯正(ポンセティ法)
- 装具療法
- 必要に応じて手術
→早めの治療開始が良い結果につながります。
治らないこともあるのか?
重度だったり、治療開始が遅れたりすると完全に治らないこともあります。
ただし、多くの場合は改善し、生活に支障のない歩き方ができるようになります。
- 治療が遅れた場合は改善が不十分なことがある
- それでも多くは機能改善が可能
→遅くても諦めずに治療を続けることが大切です。
後遺症は残るのか?
早期に治療を受けた場合、後遺症は少ないとされています。
遅れた場合や重症例では、足首の動きが硬くなったり、軽い変形が残ることもあります。
- 早期治療で後遺症は少ない
- 治療が遅れると変形や可動域制限が残る場合がある
→定期的な経過観察とリハビリが重要です。
院長からのひと言
先天性内反足は、赤ちゃんの時点で発見されることが多い病気です。
適切な時期に治療を始めれば、ほとんどのお子さんは普通に歩けるようになります。
少しでも足の形に違和感を感じたら、早めにご相談ください。
関連リンク
- ポンセティ法による治療について
よくあるご質問
いいえ。自然に治ることはほとんどありません。早めの治療が必要です。
ギプスや装具での治療は多少不快感はありますが、多くの場合お子さんは順応できます。
多くの場合はギプスや装具で十分ですが、重症例や改善が不十分な場合には手術が検討されます。
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