この記事を書いた人

日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医資格を持ち、医師として約10年医療現場に立つ。
特に整形外科の分野に力をいれており、2026年夏頃に東京都西部地域でクリニックを開業予定。
へバーデン結節とは?
へバーデン結節は、指の第一関節に起こる変形性関節症で、関節が腫れ痛む病気です。
- 人差し指〜小指の第一関節に起こる
- 指が変形して曲がったままになることも
⇒ リウマチと間違われることもありますが、別の病気です。
主な症状
第一関節が赤く腫れ、痛みや変形が出ます。
- 手を強く握れなくなる
- お箸やペンが持ちにくくなる
- 水ぶくれのような「ミューカシスト」ができることも
⇒ 日常生活の動作に支障が出ることがあります。
原因
はっきりとした原因は不明ですが、次のような要因が考えられます。
- 加齢や指先の使いすぎ
- 更年期や女性ホルモンの変化
- 40歳以上の女性に多い傾向
⇒ 指先への負担を減らすことが予防の一歩です。
診断方法
外見の確認とレントゲン検査で診断します。
- 骨の変形や骨棘(こつきょく)を確認
- リウマチや痛風との鑑別も重要
⇒ 正確な診断には整形外科の受診が必要です。
治療方法
症状や進行度に応じて保存療法と手術療法があります。
保存療法
- テーピングで固定し安静を保つ
- 消炎鎮痛薬やステロイド注射で痛みを和らげる
手術療法
- コブ(骨棘)の切除
- 関節を固定して痛みの軽減を図る
⇒ 症状に応じて医師と相談しながら選択します。
予防
直接的な原因は不明ですが、次のような工夫が有効です。
- 指先を使いすぎない
- 痛みがあるときは無理せず安静
- 作業時はテーピングなどで負担を減らす
院長からのひとこと
へバーデン結節は「歳のせい」と思われがちですが、早めの対応で進行や痛みを抑えることができます。
気になる症状があればお気軽にご相談ください。
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よくあるご質問
Q
放っておいても治りますか?
A
軽度なら自然回復の可能性もありますが、放置すると痛みや変形が長引くことがあります。
Q
家事や仕事は続けて大丈夫?
A
痛みが強いときはなるべく安静を心がけましょう。
Q
手術後はすぐに使えますか?
A
個人差はありますが、リハビリを経て数週間〜数ヶ月で日常生活に戻る方が多いです。
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