この記事を書いた人

日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医資格を持ち、医師として約10年医療現場に立つ。
特に整形外科の分野に力をいれており、2026年夏頃に東京都西部地域でクリニックを開業予定。
悪性骨腫瘍とは
悪性骨腫瘍とは、骨にできるがんのことをいいます。骨そのものから発生する「原発性」と、他の臓器のがんが骨に広がった「転移性」に分けられます。
いずれの場合も、早期発見と早期治療が非常に重要です。
- 骨にできるがんには種類がある
- 骨から直接発生する場合と、他の部位から移ってくる場合がある
- 早期発見が治療成績に大きく影響する
→ 悪性骨腫瘍は放置すると進行が早く、全身に広がる危険性があります。
主な症状
初期には軽い痛みや違和感だけの場合もありますが、進行すると腫れや動きの制限、夜間や安静時の痛みなどが現れます。
- 持続する痛み(特に夜間や安静時)
- 腫れやしこり
- 動かしづらさや力の入りにくさ
- 原因不明の骨折
→ 「ケガではないのに続く痛み」や「原因不明の骨折」は早めに検査を受けましょう。
原因とリスク要因
はっきりとした原因はわかっていませんが、遺伝的な要因や過去の放射線治療歴などが関係するといわれています。
- 遺伝や家族歴
- 既往歴(特にがんや放射線治療)
- 一部の骨の病気や外傷後
→ 誰にでも起こりうるため、原因がなくても注意が必要です。
検査方法
診断には画像検査と病理検査の両方が必要です。
- レントゲン検査
- MRIやCTで詳しく調べる
- 必要に応じてPET検査
- 生検(組織の一部を取り出して調べる)
→ 画像と組織検査を組み合わせて正確な診断を行います。
治療方法
治療は腫瘍の種類や広がりによって異なります。
- 手術で腫瘍を取り除く
- 抗がん剤(化学療法)
- 放射線治療
- 複数の治療法を組み合わせることも多い
→ 早期であれば治療の選択肢が増え、機能や生活の質を保ちやすくなります。
放置した場合のリスク
治療をせずに放置すると進行し、骨折や全身への転移の危険性が高まります。
- 腫瘍の急速な拡大
- 骨の強度低下による骨折
- 他の臓器への転移
- 命に関わるリスク
→ 放置は極めて危険です。必ず医療機関で評価を受けましょう。
早期発見のために気をつけたいこと
- 「治らない痛み」が続くときは早めに受診
- 腫れやしこりがあるときは放置しない
- 骨折を繰り返す場合は精密検査を受ける
→ 小さな異変に気づくことが早期発見の第一歩です。
関連リンク
- 紹介先病院のホームページ
よくあるご質問
Q
悪性骨腫瘍は子どもにもできますか?
A
はい。小児や若年者にも発生することがあります。特に10代に多い種類もあります。
Q
骨の痛みがあればすぐ検査した方がいいですか?
A
数日で自然に良くならない場合や、夜間・安静時にも痛みがある場合は、早めに医療機関を受診してください。
Q
治療後に再発することはありますか?
A
はい。再発や転移のリスクがあるため、定期的な経過観察が必要です。
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