この記事を書いた人

日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医資格を持ち、医師として約10年医療現場に立つ。
特に整形外科の分野に力をいれており、2026年夏頃に東京都西部地域でクリニックを開業予定。
目次
サイレントマニピュレーションとは?
肩が固まってしまった「五十肩(拘縮肩)」に対して、麻酔で痛みを感じない状態にして関節を大きく動かす治療です。
- エコーを見ながら神経の位置を確認してブロック麻酔を行う
- 肩の奥で固まっている関節包や靭帯の癒着を、医師が丁寧にほぐす
- 「ゴリゴリ」「パキッ」と音がすることもあるが痛みはほぼなし
→ 「我慢してきた固さを一気に前進させる治療」です。

サイレントマニピュレーションはどんな人におすすめ?
- 半年以上リハビリをしても肩が上がらない
- 夜にズキズキして眠れない
- 服を着る/髪を結ぶ/背中に手を回す動作がつらい
- 痛みは落ち着いてきたのに、固さだけ残っている
→ 「このまま一生固いのでは…」と不安な方にぴったりです。
治療の流れ
→ 「やって終わり」ではなく“その後のケア”が成功のカギです。
- エコーで神経を確認しながらブロック麻酔を注射
- 数分で肩が「ぼんやり」してくる
- 医師が肩をゆっくり大きく動かして癒着を解除
- その場で可動域の変化を確認できる
- その後のリハビリが超重要!

サイレントマニピュレーションを行うメリット
- ✅ 痛みなく可動域を広げられる
- ✅ リハビリ単独より早く改善が見込める
- ✅ その日のうちに腕が上がる実感が得られる
- ✅ 麻酔はエコーガイドで安全性が高い
→ 「もっと早くやればよかった」という声も多いです。
サイレントマニピュレーションを受ける前に注意しておきたいこと
- ❌ 完全に1回で治るわけではない(リハビリ必須)
- ❌ 麻酔後は腕が少し重く感じることも
- ❌ 糖尿病・心臓疾患のある方は麻酔の方法を調整する場合あり
→ 「魔法の治療」ではないが、“大きなきっかけ”になる施術です。
→ 結論:
サイレントマニピュレーションは「我慢してきた肩の固さに終止符を打つ一歩」になります。
痛みなく動かせる今こそ、肩を前へ進めるチャンスです。
院長からのひとこと
「そのうち治るだろう」と思って我慢しているうちに、1年・2年と過ぎてしまう方をたくさん見てきました。
サイレントマニピュレーションは、“肩を一気に前進させるスイッチ”です。
悩んでいる時間を治療の時間に変えていきましょう。

関連リンク
・五十肩(肩関節周囲炎)について詳しくはこちら
・リハビリの進め方と注意点
・ブロック注射との違いについて
よくあるご質問
Q
治療は痛くないですか?
A
麻酔が効いているため、動かしている最中の痛みはほとんどありません。
Q
どれくらいで日常生活に戻れますか?
A
当日から家事や仕事は可能ですが、激しい運動は数日控えましょう。
Q
再発しませんか?
A
正しいリハビリを続ければ再発は少ないですが、放置してしまうと固さが戻ることもあります。
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