この記事を書いた人

日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医資格を持ち、医師として約10年医療現場に立つ。
特に整形外科の分野に力をいれており、2026年夏頃に東京都西部地域でクリニックを開業予定。
目次
ばね指について知っておきたいこと
ばね指は、手や指をよく使う方に多くみられる腱鞘炎の一種です。
指の関節が曲がったまま真っすぐに伸ばせなくなり、日常生活に支障をきたすこともあります。
指を曲げた際にひっかかりを感じ、伸ばすと「ばね」がはじけるように動くことからこの名前がついています。
ばね指の原因とは?
ばね指は、指を曲げる腱と、それを包む腱鞘(けんしょう)に炎症が起きることで発症します。
炎症によって腱の滑りが悪くなり、指のスムーズな曲げ伸ばしができなくなります。
主な原因は以下の通りです:
- 指先の使いすぎ(家事・手作業・パソコン・スマホ操作など)
- 女性ホルモンの影響(妊娠・出産、更年期など)
- 加齢や手の酷使による腱・腱鞘の変性
特に、手を頻繁に使う職業の方やスマートフォンの使用時間が長い方は注意が必要です。
ばね指の治療方法について
症状の程度によって、保存療法から手術療法まで選択肢があります。
保存療法(初期の治療)
- 安静(指の使用を控える)
- テーピングやサポーターによる固定
- 鎮痛薬・湿布・塗り薬の使用
- ストレッチやリハビリ
→症状が軽い場合は、これらの治療で改善が期待できます。
注射(↑の治療でも改善しない場合)
少量のステロイドを含む麻酔薬を注射します。
注射は4週間ほど体内に残り炎症を抑えてくれます。
手術療法(重症・再発時)
保存療法や注射でも改善しない場合は、局所麻酔下での手術が行われます。
手術では、炎症のある腱鞘を切開し、腱の動きをスムーズにします。
- 切開は2cm程度と小さく、10分程度で終わります
- 術後はリハビリを行い、徐々に指の機能が回復していきます
院長からのひとこと
ばね指は、「使いすぎかな」と放っておくと、悪化して手術が必要になることもあります。
特に指をよく使うお仕事や家事・育児をされている方に多く、我慢せず早めの対処が大切です。
当院では、保存療法から手術・リハビリまで対応しています。
気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
関連リンク
- 注射治療について
- 手術療法について
- リハビリのご案内
よくあるご質問
軽度であれば改善することもありますが、放置すると悪化することがあるため注意が必要です。
無理のない範囲で可能ですが、痛みが強いときは安静にし、固定を行うとよいでしょう。
局所麻酔で行い、腱鞘を切開して腱の動きを改善させます。入院不要な日帰り手術です。
テーピング、温熱・アイシング、ストレッチなどがあります。
当院ではセルフケアの方法もお伝えしています。
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