この記事を書いた人

日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医資格を持ち、医師として約10年医療現場に立つ。
特に整形外科の分野に力をいれており、2026年冬頃に千葉県北西部でクリニックを開業予定。
目次
肘内障について知っておきたいこと(=幼児に多い肘の亜脱臼)
肘内障は、1~9歳くらいのお子さんに多い肘のケガで、腕を強く引っ張られたときに起こります。
正式には「橈骨頭亜脱臼(とうこつとう あだっきゅう)」と呼ばれます。
- 手を引っ張ったとき「痛い!」と泣く
- 腕を動かさずだらんとしている
- 肘を曲げた姿勢のままになる
→ 腫れや変形が目立たないため、気づきにくいことがありますいです。
腕を少し動かせることがあっても注意
痛みで動かさなくなることが多いですが、軽度では動かせる場合もあります。
ただし無理に動かすと悪化の恐れがあるため注意が必要です。
- 腕を触ると嫌がる
- 服を脱ぎ着するとき痛がる
→ できるだけ早く整形外科へ
肘内障は整形外科で治せます
治療は徒手整復(としゅせいふく)といって、整形外科医が肘を元の位置に戻します。
整復直後から腕が動くことが多いです。
- 骨折の危険があるため自己流で治すのは危険
- 早めに受診した方が不安が少ない
- レントゲンは骨折確認のために撮ることがある
→ 自宅で引っ張って治そうとしないでください!
放っておくとどうなる?
翌日でも整復可能なことが多いですが、痛みと不安が続き腕を使わなくなるのが問題です。
- 遊べない/不機嫌になる
- 長時間放置は関節に負担の可能性
→ 当日中の受診が理想です
くり返すことがあります(再発予防)
肘内障は一度起きると、再び起きやすい傾向があります。
- 腕を強く引っ張らない
- 手をつないで持ち上げない
- 洋服の脱ぎ着を急がない
→ 肘に負担がかからないように
手術が必要な場合も
切除術:回復が早いが変形性膝関節症リスク↑
縫合術:本来の機能維持、丁寧なリハビリが必要
→長期的には関節を守る治療が大切!
院長からのひとこと
小さなお子さんの突然の「手を使わない」「泣き止まない」はご家族にとって大変不安なものです。
肘内障は適切に整復すればすぐ元気に戻れるケガです。どうぞ慌てず、早めにご相談ください。
よくあるご質問
Q
当日受診できない場合は?
A
できれば当日、難しければ翌日までに受診してください。
Q
またすぐ起きてしまいますか?
A
再発しやすいですが、生活上の工夫で予防できます。
Q
レントゲンは必要?
A
骨折確認のために撮ることがあります。
まとめ
- 1~9歳に多い肘の亜脱臼
- 腕を動かさない/痛がるのがサイン
- 整形外科で整復するとすぐ良くなる
→ 無理に動かさず、早めに受診!
同じカテゴリーの記事一覧
- 腱板断裂
- ばね指
- へバーデン結節
- むち打ち症(外傷性頚部症候群)
- アキレス腱断裂
- インソール
- オスグッド病
- ストレートネック
- スポーツ外傷予防のポイント
- テニス肘
- ドケルバン病
- マレット指
- 五十肩について知っておきたいこと
- 五十肩に対するサイレントマニピュレーション (麻酔下徒手授動術:エコーガイド下で行う一歩進んだ治療)
- 体幹トレーニング
- 側弯症
- 先天性内反足について知っておきたいこと
- 半月板損傷
- 変形性脊椎症
- 変形性膝関節症
- 外反母趾
- 家庭でできる手のケア
- 当院でのリハビリテーションについて
- 悪性骨腫瘍(骨にできるがん)
- 扁平足
- 手根管症候群について知っておきたいこと
- 捻挫
- 母指CM関節症
- 注射治療について
- 疲労骨折
- 痛風について知っておきたいこと
- 発育性股関節脱臼(子どもの股関節のずれ)
- 石灰沈着性腱板炎
- 肩こりについて知っておきたいこと
- 腰椎椎間板ヘルニアについて知っておきたいこと
- 腰痛セルフケア
- 腰部脊柱管狭窄症について知っておきたいこと
- 膝蓋骨脱臼
- 良性骨腫瘍
- 装具治療のポイント
- 野球肘
- 関節リウマチ
- 頚椎椎間板ヘルニアについて知っておきたいこと
- 頚椎症性神経根症
- 頚椎症性脊髄症
- 骨密度検査のご案内
- 骨折について知っておきたいこと
- 骨粗しょう症